20代の頃、アメリカのサンタフェに短期滞在した際、部屋を貸してくれた家のアメリカ人オーナーは小学校の先生だった。
彼女の仕事について話していたとき、
「日本では授業中、生徒たちがとても静かなんだってね。」
と聞かれた。
授業中は静かにするものだと思っていた私には、その質問の趣旨がわからなかった。
ただ、昔から日本人は欧米人に比べて自己主張が控えめとか、個性に乏しいとか言われていたので、日本の学生が大人しいって言ってるんだろうな、と受け止めた。
当時、地元のコミュニティカレッジのESLが無料で受講でき、私もサンタフェ滞在中エントリーして週2で通った。
サンタフェはメキシコと国境を接しているので、クラスの8割がメキシコ人て感じだった。
私にとって初めての異国の授業風景。
なるほど、彼女の質問ってこの事かな🙄と思ったのは、授業中のメキシコ人たちの質問の頻度だ。
みんな、講師が話している途中でもお構いなしに、勝手に発言したり質問したり。
感心したのは、講師はその度にきちんと質問に答える。時に、ジムキャリー並みの面白いジェスチャーを交え、質問された単語の表すシチュエーションを1人演技してくれた🤣
日本人の私だけが感じた違和感だろうけど、質問のほとんどは、
「この単語の意味は?」
というもの。
私の経験では、先生は「自分で辞書で調べなさい」と言って答えを教えてくれない。だから私はこんな質問を授業でした事はない。
少なくとも私の通った高校の教師らは、こんな質問したら激怒だった😱
漢字も英単語も、予習して分からない物は全て調べておくのが授業をしてくださる教師への礼儀だ、、なんてことを言う先生もいた。
高校時代を思い出しながら、自由に質問できるメキシコ人たちのストレスフリーな様子を羨ましく思った😌
それから時を経て、つい最近次男に起きた出来事がこの時の経験と繋がった。
先日、友人から誘われて子ども向けの経済セミナーなるものに参加。
小学生ばかり7人くらい集まっていて、ファイナンシャルプランナーの講師が、貨幣の始まりや物の値段の決まり方、お金を使う意味について子ども向けに授業をしてくれた。
次男は1番前の席で、講師の質問に積極的に答え、自分の経験や考えを頻繁に発言し、時々、講師の話を遮り過ぎてやしないか💦って親としてはハラハラするほど熱心だった。
その後、誘ってくれた友人から、次男をすごく誉めるLINEをもらった💕
次男が参加してくれて良かった、おかげでセミナーが盛り上がったよ。賢い子だね、と。
ひいては私の育児の賜といった誉め言葉まで😂
親と第三者では、こんなに評価って違うんだな〜と、そのLINEを嬉しく受け止めた☺️
そして更に、次男の昨年度の担任との出来事と結びついた。
コロナ禍で授業参観が1度も無かったので担任の先生と話す機会が無かったのだが、次男は担任の男性の先生と全く合わず、毎日イヤだイヤだと不満を私に訴えた😓
1度は、「担任が交代するまで明日から学校行かない!😠」と宣言したほど💦
(何とか不登校は回避😅)
次男の言い分によると、授業中、次男が担任に質問するたび、担任は「また先生の話を聞いていませんね。」と次男を叱り、質問に答えてくれないのだそう。
担任の言い分も聞かなくては、担任が叱った事が正解かどうか判断できないが、次男は、
「俺は先生の話をちゃんと聞いて、こうした方がいいかなと思ったから聞いた。」、
「先生の話が終わったのを確認してから、聞いた。」
と、先生が「話を聞いていない」と叱るのは決めつけだと言い、毎回、全く納得していなかった。
特に次男が担任のやり方で我慢ならなかったのは、(次男いわく)叱る時にクラスの他の生徒に向けて晒し者のようにジットリと叱るところだそう😅
「みなさん、○○君のことどう思いますか?」など言って、わざわざ注目させてから叱るそうで、そうされると次男は反論したくてもできなくなり、悔しさを握りしめて(by中島みゆき)帰宅する😢
ただし、この先生は決して感情的に激昂したりもしないようだった。
一度、夏休み中の登校日に行われた平和授業でも、また同じように叱られていて、この時は私も担任は柔軟性が足りない人かも…と思わずにいられなかった。
次男は、長崎の原爆投下の被害の話を聞いて、「7万人も亡くなったなら、長崎の人がすごく減ったってことですね😳」
という感想を発言したところ、担任から、
「どうして先生の話を聞かないんですか」
と呆れた顔で言われたそうだ💧
日ごろの教科ならともかく、せっかく平和授業で小学4年生の子が心を動かされそのような感想を自分から発言した時に、なぜ担任が
「そうだね、いいところに気づいたね」
と、共感してくれないんだろう🤔
子どもが戦争の被害に驚いて人間らしい感想を漏らすよりも、先生の授業の進め方に忠実でいることのほうが大事だと言うの?って、この時は、担任の対応を残念に思った😔
それでも私は、親が先生の悪口を言うのは良くないので、「感想はとてもいい事に気づいたと思うし、先生の話をよく聞いていた証拠だね。でも、先生は日ごろの印象で話を聞いてないって先入観を持ってしまってる。それはキミが努力して先生の印象を変えて、信頼を得るしかないよ。」と次男をなだめたε-(´∀`; )
先日のセミナーでの次男の熱心な姿を見ていて、次男は恐らく学校でもこんな風に授業に積極的に参加して、思った疑問や提案を躊躇なく発言していたんだろうな、と思った。
本人にしたら真面目に授業を聞いているし、自分なりに疑問に感じたことを質問している、それが認められないことが納得いかなかったのだ、と。
担任の視点に立つと、自分の想定している授業の進行を次男が遮っている。沢山の生徒を抱えているので、1人に合わせているヒマは無い。質問は担任が許可した時間にだけすべき。担任が指示していないやり方を生徒側から提案してくるなんて想定外で、指示通りにやればよいのだ、ということだったのかな。
次男と担任のやり取りを見ている他の生徒たちは、モノ言わないのが1番安全なのだ…と学んだことだろう😓
この担任、決してパワハラのような叱り方はしていない。
また、提出した宿題は毎日きちんと見て丁寧なコメントをつけてくれたし、通知表のコメントも次男の普段の様子をよく把握しているのが伝わる内容だった。
おそらく、とても真面目で几帳面な先生だ。
悪い先生では無い。けど、余裕の無さを感じる😓
コロナ禍の一斉休校で授業が遅れたこともあったのかも知れないが、元々、日本の公立小の先生はとても忙しく重労働だとよく言われている。
それが心のゆとりを失う原因のひとつかも🥺
アメリカでお世話になった家のオーナーが日本の生徒が静かだと言っていたのは、日本では小学生の時点で次男のような生徒が排除されるからかも知れない。
そして生徒は黙って聞くだけになる。
質問できないのだから疑問を持つ事もしなくなる。
自分の意見を主張しない方が無難なのだと覚える。
頼まれもしないのに新しい方法を提案するなどあり得ないので、言われた事だけをやる。
こんな横並びで静かな生徒たち1人1人が授業に関心を持っているかどうか、先生には見えづらい事だろう。
こうして日本では小学生の頃に自己主張を控える人格が形成されるというのは、現場の教師が見ていて痛感している事だと思うけどな。
何とも感じないのだろうか…
最近見た英会話youtuberの動画で、帰国子女どうしが英語で話す時と日本語で話す時の心理的な違いを語っていて、日本人と日本語で話す時のキャラと、ネイティブと英語で話す時のキャラが違うという話に、他の人も共感していた。これを知って、残念というか寂しいというか、何とも表現し難い気持ちを覚えた。
要するに日本人と話す時は、控えめなキャラになるそうだ。しかし、欧米人など英語ネイティブとはもっと気軽にあまり細かい事を気にせず会話が弾むらしい。
この話だけ聞くと…日本人ってネガティブにしか映らない😓
私の周りの海外移住したがる友人や、長く留学して帰ってきたばかりの友人も似たような事を言っていた。
自分は日本では浮いてしまう…と。
横並び、出る杭にならない、無難にやり過ごすのが処世術。
大半の日本人が小学生の時に身につけるスキル💧
外国人には親切に応じるのに、帰国子女のような異色キャラの邦人に戸惑いを隠さない。
私も典型的な日本人学生だった。
文科省はどんな日本人を育てたいんだか…😕
グローバル化って何?
学力テストの結果さえ良ければいいって基準は、何十年経っても変わらないな🤔