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架空請求のこと

架空請求を目にしたのは、私が法律事務所に勤務した18年ほど前だ。

闇金が急増したのと同じ頃。

あの頃は街のいたるところに、闇金が携帯電話番号と屋号を書いたシールを非常識にベタベタと貼りまくっていた。

 

当時は闇金が犯罪であるという認識が警察や行政にも低く、「高利とわかってて借りたんだろう」という空気があった🙄

 

当時、たいていの弁護士は闇金に追われている多重債務相談を受けたがらなかった。中には、受けようにも法律的にどう処理すべきかのノウハウが無かったという理由もあっただろう。

 

うちのボスは、全国の有志の法律家と連絡協議会を作り、互いに経験を共有しながら、長年に亘り多重債務者救済や金利の法的な研究をずっとしてきた人だ。金利規制のため法律改正の運動もしてきて、実現している。

そんな事務所なので、ヤミ金被害の相談も断ったことが無く、口コミで瞬く間に闇金被害の相談が殺到した。

 

まだ事務所のホームページも持たず、広告費はほとんど使っていなかった頃なのに、毎日相談の電話があり、予約はいつでも2、3週間先にしか入らなかった。

 

その上、裁判所やよその弁護士がみんな多重債務相談者をうちの事務所にまわして来る状態💦

 

闇金に弁護士が電話で依頼を受けたと通知すると、当時はいやがらせの電話がジャンジャン鳴るのがお決まりだった📞🗣

事務所は軽くパニくる👾

時には、事務所まで文句を言いに来る闇金もいた。

犯罪者ですと名乗り出てるも同然なんだけど☠️

わがボスは、闇金や悪質な街金、高利のサラ金に苦しめられてきた借主を被害者と位置づけてきた。

闇金が社会問題化するように、テレビ取材も快く受けていた。

あるNHKのプロデューサーさんが闇金被害を熱心に取材していて何度も事務所に通って来られていた。

 

闇金を警察が取り締まるようになったのと入れ違いのように、破産で免責決定を受けた人のところに、「官報公告料3800円を振り込みしてください」というハガキが届くようになった✉️✉️✉️

差出人は、日本に存在しない機関👻

法務なにがしとそれらしい名称や電話番号が載っている。

 

官報公告というのは、会社の設立をお知らせしたり、裁判所で破産や民事再生の手続が開始したことを広く知らせたり、相続人がいない人の財産処分をやるので債権者は名乗り出てくださいと知らせるための広報誌のようなものだ。

私もこの仕事に就くまで耳にしたこともなく、存在も知らなかった。

 

破産の官報掲載の費用は、裁判所に納めるもので、免責決定を受けた後、個人に対して費用の請求はあり得ない。

しかし、金額が小さいし、破産をした方は他人に知られたくない心理なので、誰にも相談せず払ってくるのだろう。

 

この架空請求は今も時々聞く。

 

架空請求で大儲けした人たちが、更に新手の詐欺を考えついたのだろう。

10年くらい前の若い女性の相談。携帯電話に架空請求メールが届き📲内容はざっくりと「あなたがウェブサイト上で登録したサイトの会費の未払があります。連絡ください。裁判になることもあります。」というものだった。

差出人名や文面をコピペしてネットで検索すれば💻すぐに詐欺だとわかるものだったんだけど、この女性は慌ててメールにあった電話番号に連絡したそうだ。

これが悪夢の始まり😓

相手は、「弁護士からかけさせます」と一度電話を切った。次に、弁護士を名乗る男性から電話があり、裁判所だの、民事なんちゃら手続きだの、わざわざ小難しく聞こえる単語を使って長々と説明したらしい。最近のオレオレ詐欺みたいな展開だ。

そして、あれよあれよという間に彼女は、4社のサラ金から次々に借入させられ💴借りた現金はそっくりそのまま郵便局のレターパックで送らされ📮総額400万円くらいの借金を負わされて、相手との連絡がプッツリ途絶えた。

そこでやっと、消費生活センターに問い合わせたらしい😿

 

この事例には「法律事務所に勤めていてよかった」と心の中でつぶやいてしまった😞

 

リアルな経験談を聞いて私も騙されそうな手口だと思った。

 

こういう架空請求から、オレオレ詐欺、懸賞詐欺など、、様々な詐欺が増えていったように思う。

最近では震災の支援金とか募金詐欺もあるらしい。

これだけニュースになり、銀行のATMに注意書きが掲示されているので、随分と成功率は落ちているのではと思うが、とにかくDMやメールは無視が一番。

書かれてある番号に電話すると、こちらの電話番号を知られてしまい、カモがかかったと相手を喜ばせるだけ🦆

 

サイトを見ていて何かしらクリックしたら「登録ありがとうございます!」という画面が現れることもあるらしいが、全て詐欺。

無視していれば、こちらの住所も電話番号も相手には分からない。

よく事務所にも、このようなたぐいの請求を受けたと相談があり、「無視が一番」と返事をしているが、その後、同じ人が「訴状が来た」などと再度電話してきたことはない。

 

若干不安で落ち着かない場合は、まずは検索サイトのgoogleなどでメールの文面や差出人を入力して検索すると、必ず「詐欺」と教えてもらえる。