おしゃべり好きワーママの話のタネ

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向こう岸

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先日、仕事関連で依存症の学習会に出席した。その中の分科会で、元東淀川区職員時代に自ら希望して30年近く生活保護課に所属し、ケースワーカーを20年務め、その他、保護受給世帯の子どもの学習支援などの業務に関わって来た方の講演があった。

 

講師の方が、生活保護に関してお勧めの本は?との質問に答えて紹介された書籍。児童書と言われたので、子どもらに読み聞かせようと思って早速amazonで購入。

 

毎晩、長男に読んで聞かせて1週間くらいで読み終えた。

 

物語としても心温まる人間ドラマだし、格差社会と言われ始めてから保護受給者へのバッシングも躊躇する必要がない雰囲気になってる日本社会の中にいる、貧困世帯の子どもの境遇とか心理がリアルに描いてあると思う。

 

保護受給世帯の子と同級生で、周りに何不自由ないと思われがちな裕福な家庭環境の中学生の男の子が主人公であるが、この子なりの苦悩や純粋で優しい気持ち、親から精神的に自立しようとしていく過程もリアルで、読み聞かせながら途中、涙が止まらなくなる場面がいくつかあった😭

特に後半部分は、気をつけないとほぼ泣いてしまう場面の連続💧💧

 

私自身、中学生の頃はコンプレックスとか親に対する不審感とか校則への反発、、多感な子だったから😅

大人になった今も、金八先生なんか観ると中学生の頃の気持ちが蘇って胸が詰まり号泣してしまうんだが、この児童書にも同じ気持ちにさせられた😿

 

高校くらいになると、精神面も落ち着いて、世渡りというか友人関係や先生との関係にも戸惑わないし、親の事も人間として見れるようになると思うけど、小中学生の時に親を頼れない、甘えられない環境の子の話は、私にはすごく胸が痛くなる。

なぜなら私は、親にものすごく甘えさせてもらっていたから。当時は分かってなかったけど。

 

だから、児童虐待のニュースなんてもう耐えがたい😰

朝からニュース見て気持ちが沈み仕事行きたくなくなることある  (行くんだけど)。

 

だから、この物語の中で、そんな風に親に甘えられなくてツッパっている子に、よその大人が居場所を与えたり、力になる場面は感動だったな🥺

 

かと言って、私がよその子にそうやって手を差し伸べられるかと言うと、自分の生活と子どもの世話で毎日いっぱいいっぱいで、とても物理的余裕がない🙇‍♀️

 

東淀川区職員だった講師さんは、保護受給世帯で不登校になっている子のためだけの学習支援をされていたそうだ。

そこにボランティアの学生が来て、その学生から美術とかデザインの学校について話を聞いたことで、将来に何の希望も持ち得なかった子が、デザイン科に進むという選択肢を初めて知り、勉強に打ち込むようになったとか🥺

そんな経験談を聞くと、やっぱりそれが行政の仕事だよなーって思う。。

 

子ども食堂をボランティアでやっている知り合いがいるけど、その人を見ていても、ご主人の収入のおかげで働きに出なくていいとか、そういう状況だからやれるのかなと思ってしまう。

 

私なんて、月曜から金曜までフルで働いてるから、休みの日くらいは子どもとの接触時間を多く取らなければとプレッシャーを感じつつ、1週間でたまった掃除やら、翌1週間の食料品買い出しやらで時間に追われ、あっという間に週末が終わる感じで😓

私のキャパが狭いという自覚もあるけど、やはり民間のボランティアだけでやるには経済的にも物理的にも負担が大きく限界があると思う。

なんせ、食材の調達もいろんな方の厚意で、そのためにあちこち挨拶に行って子ども食堂の意義を理解してもらう活動もされているんだろう。

関わるからには、中途半端にやれないしね。

 

分科会の講師は、保護世帯の子どもに不登校や引きこもりが多いと言っていた。

本の中にも、貧しくて新しい服も買ってもらえずピチピチの服を着ている男の子が出て来るが、いつもスマホやらTVゲームに夢中なのだ。サッカーだの何らかの習い事や塾に通ってるのが当たり前の最近の小中学生の中で、貧困世帯の子は話について行けず浮いてしまったり、劣等感抱いたりするのかも知れないな、と気づかされる。

 

保護受給世帯に対して、生活費が出るだけありがたいと思えみたいな扱いは、負のループを作る事になり、社会にとって何のプラスにもならないと感じた😔

その環境にいる子どもは、進学を諦めがちだったりして将来が描けないだろうし、周りに遠慮がちになったり、自分に自信を持てなかったりするかも知れない。

それから、健康面にあまり関心が無かったりということもある。

そうすると、またその子が大人になった時に親と同じ道を歩いて保護受給が必要になる可能性は高い。

この負のループを断ち切るためにはボランティア任せにせず行政が税金でやってほしい。

 

私も仕事する中で、保護受給まで行かないけどギリギリの世帯の方を何家族も見てきた。

子どもさんは高校進学を諦めていたり、社会に出てもフリーターで落ち着かないとかいうことは多いなとの感想を長く持ってきた。

両親が非正規雇用で所得が低かったが、成人した子どもが高所得、というケースは稀だ。女の子が結婚して安定した生活をしていることはあっても。

 

行政がさらに踏み込んだサポートをして、子どもたちにその環境を将来抜け出せる選択肢を与えられれば、結果、将来はバリバリ働いて社会貢献する人になり、国にとってプラスで返って来るものだと思う。

何十年かかかることだけど。

投資しなけりゃ、リターンは無いのだから😊

保護受給家庭をバッシングすることを容認したり同調する社会じゃいけないんだと思う。

困った時にはお互い様、でなきゃ。

 

昔、フランス🇫🇷にワーホリ行ってた友達から聞いた話では、当時、フランスは日本でいう失業保険が最長3年支給されていたそうで、驚いた友達が、そんな事したら働かない人が増えるんじゃない⁈と感想を述べたら、フランス人は、困った時には助け合うものだからこれで良いのだ、とサラっと答えたそうだ👏🏻

 

私はフランス人の社会保障に対するその感覚を聞いて、何て理想的な社会だろう、日本もこんなゆとりある国になればいいな、と思ったものだ🤔

そうすれば、格差社会にならないのに。